悩む人NAS用HDDに何TBを選べばいいのか、公式サイトを見てもピンとこない。4TBと6TBは価格差が小さいのに、自宅にどちらが合うのか判断できない。高いHDDを選んで後悔したくないし、容量不足で買い直す二重出費も避けたい。
こんな悩みを解決します。
本記事の内容
- NAS用HDDの容量選びで、多くの人がつまずくポイント
- NAS用HDDの容量は、表示容量ではなく実効容量で考える
- わが家に必要な容量を、家族構成と撮影頻度から逆算する
- NAS用HDDと普通の外付けHDDは何が違うのか
- 容量選びに失敗しても、あとから取り返せる
- 容量を決めたら、次に確認すべきこと
本記事を書いているぼくは、写真や動画の保存方法を発信しているNOKORUというサイトを運営しています。
専門知識がない人でも迷わず容量を選べるように、考え方をシンプルに整理してきました。
この記事を読めば、専門用語を丸暗記しなくても、あなたの家庭にちょうどいい容量が自然と見えてきます。
さっそく、多くの人がつまずくポイントから見ていきましょう。
NAS用HDDの容量選びで、多くの人がつまずくポイント


多くの人は、「4TB」「6TB」「8TB」という数字と、CMR・SMRといった専門用語を並べられた瞬間に、思考が止まってしまいます。
これらの情報はあくまで一般論であり、自分の家庭に当てはめる作業が読者側に丸投げされているからです。
たとえば「6歳と3歳の子どもがいて、iPhoneで4K動画も撮る」という家庭にとって、6TBが正解なのか8TBが必要なのかは、早見表だけでは判断できません。
とはいえ、専門的な計算が必要なわけではありません。
この記事では、専門用語の意味を最小限に絞りながら、あなたの家庭にちょうどいい容量を、順番に導き出していきます。
NAS用HDDの容量は、表示容量ではなく実効容量で考える


まず押さえておきたいのは、NASのHDDは表示されている容量をそのまま使えるわけではない、という点です。
多くの家庭がNASで採用する「RAID1」という構成に、その理由があります。
RAID1を組むと、HDDの容量はなぜ半分になるのか
RAID1は、2台のHDDに同じデータを同時に書き込む仕組みです。
片方のHDDが壊れても、もう片方に同じデータが残っているため、大切な写真や動画が消えるリスクを減らせます。
その代わり、2台のHDDは1台分の容量としてしか使えません。
具体的には、こうなります。
- 4TB×2台でRAID1を組む → 使える容量は4TB分
- 6TB×2台でRAID1を組む → 使える容量は6TB分
つまり「2台買ったから容量は2倍」という考え方は成り立ちません。
表示容量と実際に使える容量には、ズレも生じる
さらに、HDDのパッケージに書かれている容量と、実際にNAS上で使える容量には、ファイルシステムなどの影響で若干のズレが生じます。
このあたりを数字で細かく確認したい方は、NAS用HDD4TBを2台でRAID1を組んだときの実容量について詳しく解説した記事もあわせてチェックしてみてください。
容量を選ぶときは「HDD1台あたりの容量=最終的に使える容量」という前提で考えると安全です。
この前提を踏まえたうえで、次はいよいよ、あなたの家庭に必要な容量を具体的に考えていきます。
わが家に必要な容量を、家族構成と撮影頻度から逆算する


必要な容量は、「今の総容量」「年間の増加ペース」「今後見込む年数」の3つを掛け合わせれば、専門知識がなくても見えてきます。
写真や動画の容量は子どもの成長とともに増え続けるものであり、今ちょうど足りる容量を選ぶこと自体がリスクになるからです。
まず「今、写真・動画が何TBあるか」を確認する
iPhoneであれば、設定アプリからストレージの使用状況を確認できます。
写真アプリの容量が、現時点でのおおよその基準になります。
子どもが増える・成長するほど、撮影量は増えていく前提で見込む
子どもが1人から2人に増えれば、撮影する枚数や動画の本数も単純に増えていきます。
成長するにつれて、イベントごとの撮影機会も増える家庭が多いはずです。
今の容量に対して、今後5年、10年という期間を見込み、余裕を持たせておく発想が欠かせません。
4K動画をよく撮る家庭は、容量の減りが早い点を織り込む
4K動画は、通常の動画よりもファイルサイズが大きくなりやすい形式です。
運動会や旅行など、4K動画を撮る機会が多い家庭ほど、容量の減るペースが早まる点を計算に入れておく必要があります。
とはいえ、正確な数値を出せなくても不安に感じる必要はありません。
大切なのは完璧な数字を出すことではなく、余裕を持った容量帯を選ぶという考え方そのものです。
より具体的なシミュレーションを知りたい方は、家族の写真保存に必要な容量の目安をまとめた以下の記事をごらんください。
NAS用HDDと普通の外付けHDDは何が違うのか


NAS用HDDと普通の外付けHDDの違いは、「壊れやすさ」ではなく「想定されている使われ方」にあります。
安いHDDは壊れやすく、高いHDDは絶対に安心、という考え方には、実はやや誤解が含まれています。
CMRとSMR、初心者がまず押さえるべき違い
HDDには、大きく分けてCMRとSMRという2つの記録方式があります。
- CMR:従来からある記録方式で、NASのように頻繁に書き込みが発生する用途に向いている
- SMR:大容量化しやすい反面、書き込みが多い環境では速度低下や負荷が起きやすい
NAS用として販売されているHDDの多くは、CMR方式が採用されています。
より詳しい違いを知りたい方は、CMRとSMRの違いを初心者向けに解説した記事もあわせて確認してみてください。
NAS用HDDを選ぶべき理由は「壊れにくさ」より「NASの動き方との相性」
NASは、24時間365日、電源を入れっぱなしで稼働させることを前提に設計された機器です。
一般的な外付けHDDは、必要なときだけ電源を入れて使う想定で作られています。
つまり、NAS用HDDが必要なのは壊れにくいからではなく、NASという「稼働し続ける環境」に合わせて設計されているからです。
とはいえ、価格差だけを見ると割高に感じるかもしれません。
ですが、24時間稼働を前提とする環境で一般的な外付けHDDを使い続けると、想定より早く寿命を迎えるリスクが高まります。
実際にどのHDDを選べばいいか気になる方は、NAS用のHDD4TB×2台構成のおすすめ商品2選【選び方も解説】をご覧ください。
容量選びに失敗しても、あとから取り返せる


最初に選んだ容量が完璧でなくても、あとから容量を増やす方法はきちんと用意されています。
多くの人は「一度HDDを選んだら、簡単には変更できない」と思い込んでいますが、これは誤解です。
HDDは1台ずつ交換すれば、運用を止めずに容量を増やせる
RAID1構成であれば、片方のHDDを大容量のものに交換し、データの再構築が終わってから、もう片方も同様に交換するという方法があります。
こうすることで、NASの運用を止めることなく、段階的に容量を大きくしていくことが可能です。
「完璧な容量」を最初から当てる必要はない
今の時点で少し容量に余裕を持たせて選んでおけば、それで十分です。
将来的に足りなくなったとしても、買い直しではなく、交換や増設という選択肢が残されています。
この事実を知っているだけで、容量選びに対する心理的なハードルはぐっと下がるはずです。
容量を決めたら、次に確認すべきこと


ここまでで、容量という1つの悩みは解決できたはずです。
とはいえ、容量さえ決まればすべて解決するわけではありません。
次に考えるべきなのは、どのNAS本体を選ぶかという点です。2ベイタイプのNASを初めて選ぶ方向けに、選び方のポイントをまとめた記事も用意しています。
»【初心者向け】2ベイNASの選び方|容量・RAID対応まで解説
また、忘れてはいけないのが、NASに保存しただけでは万全ではないという点です。
RAID1はHDDの故障には強くなりますが、誤削除やNAS本体の故障、災害といったリスクからデータを守ってくれるわけではありません。
RAID1とバックアップの違いについて整理した記事もあわせて確認しておくと、より安心してNAS運用を始められます。
